不思議なダンゴムシ(自由研究のテーマに!!)

かなり久しぶりの投稿になります。

なんだか小学生の自由研究のテーマとして楽しそうで簡単そうな現象を自宅で確認したので共有をしたいと思いました。

 

概要

一年程度前にダンゴムシを飼育するための箱庭を作成していたようなので、様子の更新がてら。

xeno-sake.hatenadiary.com

箱庭自体はもう撤廃しております。理由としては殖えすぎたから.....

10匹程度で始めたダンゴムシたちは現在100-200匹程度まで個体数を増やしました。

 

このダンゴムシオカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)というヨーロッパ原産の種類で日本国内には外来種として人家の近辺に広く定着していることが知られています。

やはり大海原を渡って異国に広がりまくっているだけのこともあり、とんでもない飼育のし易さです。普通に飼育していればまず個体数が減っていくことは起こらなそうな気がします。

極度な乾燥にさえ気を付ければ、室内無加温で増え続けますし、臭いもしません。

 

不思議な個体を発見

そんな増えまくりダンゴムシ飼育ケースの中に不思議な子を発見しました。

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違和感・・・?

ちょっとわかりにくい・・・?

左右で触角の色が異なっています。右の触角に全く色がなく、真っ白になっています。

ちなみにこの個体で生まれてから1年くらいになります。よく見る大きなダンゴムシは3年くらい生きている個体なのですが、この話をするとよく驚かれます。実はハツカネズミさんたちやハムスター達よりも平均的には長く生きる生き物なんです!

 

普通の個体との比較

話を戻して、より触角を見やすくしてみました。

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フラッシュで光を当てるととても分かりやすかったです。

 

普通の個体との比較も。

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考察

これ、おそらく上の個体は以前何らかの理由で欠損してしまった触角を再生しているものと思われます。

ダンゴムシは甲殻亜門(Crustacean)の軟甲鋼(Malacostaraca)に分類される、いわゆる甲殻類の生物です。甲殻類に属する生物は脱皮を繰り返しながら成長を繰り返す生物であることが知られており、その脱皮の過程で欠損した脚や触角を再生することがこれまでに報告されています(Pavlopoulos and Wolff, 2020)。

 

上記の個体はほぼ完全に触角が再生しきっている(サイズ的にも構造的にも)と考えられ、非常にいいタイミングで観察をすることが出来ました。

 

これ、かなり自由研究向きの現象ではないでしょうか・・・?

マクロ撮影のできる機材さえあれば、条件の振り方によってかなり楽しそうな自由研究案がいくつも浮かんできそうな感じがします。

僕も何かやってみようかな....

 

(終)

 

参考文献:

Pavlopoulos A, Wolff C. Crustacean Limb Morphogenesis during Normal Development and Regeneration. In: Developmental Biology and Larval Ecology: The Natural History of the Crustacea, Volume 7. Oxford University Press; 2020:46-79.