読書メモ:「犬はどこだ 」 -米澤穂信

院試が終わって一発目の読書でした。いつまで続くか分からないですが、読書メモを付けたいと思います。初回なのでまぁまぁの分量を書いているけれど、次回からはもっとさっぱりと書くと思います。ネタバレ要素はゼロ。

 

初心者なのでお手柔らかに.....

あと、なぜか「だ・である」調になっているけれど自分用のメモを貼り付けているだけなのでそうなっております。次回からは公開用に丁寧に書きたいと思います。書き直すのは面倒なので。

 

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読んだのはこの作品

www.tsogen.co.jpみんな大好き、米澤穂信さんの作品です。以下、感想的な何か。

 

「紺屋S&Rシリーズ」の第一作目.....らしいけど続編は出ていないっぽい。2006年度の「このミステリーがすごい!」では8位を取っているらしい(wiki情報)。街中の探偵事務所とかいう「The 探偵ものミステリー」かと思いきや、いわゆる王道ミステリーからは程遠い展開であった。構成としては、読んでいる側が文章内からヒントを探して一緒にミステリーを解決できるため、とても楽しいが、前半の流れはややどんよりとしており若干とっかかりにくいかもしれない(自分だけか)。実際に、この小説は数年前に買って50ページほど読んで放置していたらしい。その時のことはあまり覚えていないけれど何かとっかかりにくさを感じて放置してしまったらしい。米澤穂信作品ではそんなことはこれまでなかったのでなんとなく自分の中では事件的な扱いになっている。

 

この物語には二人の見習い探偵が登場する。しかしながら、よくある凸凹コンビではないところがこの作品に味を与えている。一応は「探偵」である二人の主要な登場人物には強いクセはなく(あることにはあるのだが良い塩梅で、オーバーな印象を与えない)、シリーズ化するには少し難しいのかなという印象は受けたが、田舎町で展開される物語にはとっても相応しいような主人公なのかもしれない。また、その他のいわゆる脇役な登場人物たちに関しても、作者の意図によるものなのか、最後まで強い印象を残した人物というのはいなかった。ただ、それもあくまで「良い意味で」であり読み進めていく上での「あれ、こいつ誰だっけ」的なことは起こらないのであった(確かに他の米澤穂信作品でもそこまで強く主張してくるような人物は少なかったように思える)。ミステリーものでは適当な脇役が目立つことでカモフラージュの役割をになっているような作品もあるが、それには全く該当しない。

 

大袈裟に大きな起伏のないストーリーの中でひっそりと、しかし着々と解決の糸口を掴んでいく様はスリル感こそ少ないが、考える暇を与えてくれるために没入感を与えているような気がした。しっかりとした殺人の描写やその他の欲望に塗れたえぐみのある描写こそ少ない一方(ここが作者らしさだと考えらえる)、少しの会話や行動を通じた主人公二人の感情の動きに関する描写はとても細かくそこに果てしない「人間感」を残していた。当然、ストーリーは面白く、無茶な展開のない、そういった意味では正統派のミステリーであるように関じられた(と偉そうにいっているがミステリーの「ミ」の字も理解できていないので怖い人に闇討ちされないか心配)。

 

とにかく派手さは少ない、しかしながら展開は熱い、不思議なミステリーであった。

 

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とっても偉そうですね。いずれ恥ずかしくなって消しそう。

米澤穂信さんの作品は「氷菓シリーズ」はもちろんのこと、「追想五断章」が好きです。「王とサーカス」も好きだな。いや、「儚い羊たちの祝宴」も捨てがたいし、「ボトルネック」も......

 

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